SEとして日々業務をする中で「仕事内容や働き方が自分に合っているんだろうか」と不安に思うことはないでしょうか。
SEのキャリアパスというと、プログラマから始まり、プロジェクトマネージャになるのを思い浮かべがちですが、それ以外にも様々なキャリアパスがあります。
SEのキャリアパス
SEのキャリアパスとして、以下の4つをご紹介します。
- プロジェクトマネージャ
- スペシャリスト
- 社内SE
- フリーランス
はじめに、キャリアパスの全体像を把握するために、ITスキルとビジネススキル(マネジメント、顧客対応など)の2軸でそれぞれのキャリアで必要とされるスキルをまとめました。
プロジェクトマネージャと社内SEはビジネススキルが重視され、スペシャリストとフリーランスはITスキルが重視される傾向にあります。
続いて、各キャリアの詳細をご紹介します。
プロジェクトマネージャ
プロジェクトマネージャは、プロジェクトの責任者としてプロジェクトの契約、人員の調達と管理、進捗管理、品質管理等を担います。
必要なスキル
- 顧客やプロジェクトメンバーと会話し、プロジェクトに必要な行動を促すことができるコミュニケーション力
- 顧客業務の業務知識
- 業務・システムのあるべき姿を描き出せる知識(ベストプラクティスの知識を持ち、対象の顧客にどのようにカスタマイズすればよいか検討できる)
- 進捗管理、人員管理、品質管理、リスク管理等のプロジェクトを管理するために必要な知識
- 見積の妥当性や、システムの品質を判断するために、最低限のITスキル
向いている人
- 顧客やプロジェクトメンバーとハードな交渉をしてもくじけない
- 顧客の業務に興味をもてる
- ベストプラクティスに関する知識を常に勉強できる
- 常に問題が降りかかる状況でも柔軟に対応できる
- プログラミングができなくなっても平気
- プロジェクト全体をコントロールしたい
どうやってなるのか
大手SIer・ITコンサルの場合
1 – 3年目まではプロジェクト管理のサポート、4 – 6年目でプロジェクト内の小規模なチームのリーダー、そしてプロジェクトマネージャになります。
大手SIerやITコンサルでは早期にプロジェクト管理のスキルを高められますが、技術スキルを高める機会が少ないので、プロジェクトマネージャになった時に適切な見積もりや品質管理ができないリスクがあります。
そのため、若手の時に開発を担う子会社に出向させ、ITスキルを高める企業もあります。
中小SIerの場合
1 – 5年目まではプログラマ、6 – 10年目でプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャになります。
中小SIerはITスキルを確実に高めながらプロジェクトマネージャになれるメリットがあります。
ただし、大規模なプロジェクトを担うチャンスが少ないため、プロジェクトマネジメントのスキルが頭打ちになる可能性があります。
そのため、ある程度スキルを高めた後で、大手のSIerに転職する人もいます。
備考 : ITコンサルとSIerの違いは小さい
プロジェクトマネージャを説明するにあたり、SIerとITコンサルを分けずに記載しました。
ITコンサルはシステム導入前の構想フェーズをメインに担当し、SIerはそれ以降を担当するイメージがあります。
しかし、実際には境目があいまいで、ITコンサルがテスト・保守まで担当することもありますし、SIerが構想段階から担当することもあります。
実際、筆者がITコンサルのプロジェクトに参加した時は、ITコンサルのメンバが構想からテストまでこなしていました。
スペシャリスト
スペシャリストは特定の領域で専門的なスキルを持ち、それを生かして価値を生み出します。
様々なジャンルにスペシャリストは存在しますが、ここではWeb系エンジニアを紹介します。
Web系エンジニア
Web系エンジニアは、Yahoo!やクックパッドなどのWebサービス(スマホアプリ含む)を提供する企業で設計・開発・保守を担当するエンジニアです。
Webサービスでは、技術力がサービスの質に大きく影響するので、SIerに比べてITスキルが重要視されます。
そのため、エンジニアがITスキルで評価され、必ずしもマネジメントをやらなくても収入を上げることができます。
必要なスキル
- Webサイト、スマホアプリを構築するためのITスキル
向いている人
- 常に技術力を磨き続けるのが苦でない人
どうやってなるのか
新卒・未経験
Web系エンジニアは門戸が広く、論理思考力などの適正が認められれば、文理問わずWeb系の企業に入ることもできます。
人手不足ということもあり、未経験者向けに充実した研修を用意している企業も多いです。
中途
SIerや社内SEなどでITスキルを磨いたのちに、Web系エンジニアに転職する人が多いです。
社内SE
社内SEは企業の情報システム部門に所属し、自社のシステムの設計・開発・保守を担います。
また、社内のネットワーク環境の保守・運用や、ソフトウェアライセンスの管理、社員へのサポート(ex PCやプリンタの設定)など幅広い業務を行います。
企業規模が大きい場合は、システム構想や要件定義を専門にするチームと、システムを運用するチーム、ユーザーサポートをするチーム等が分かれています。
小さな企業では、少人数、あるいは一人ですべての業務を行います。
必要なスキル
社内SEは業務の範囲が広く、担当の範囲によって必要なスキルは大きく異なります。
問い合わせ対応
- 自社業務に関する知識
- PCやプリンタ全般に関する知識
社内システムの開発・運用・保守
- 外部ベンダーに開発を任せている場合はベンダーコントロールや社内調整
- 自社開発の場合は、通常のSEと同様プロジェクトマネジメントやITスキル
向いている人
- 所属する企業の業務に興味・関心がある
- サポータータイプ
- 調整が得意(外部ベンダーや社内と調整する機会が多いため)
どうやってなるのか
- 新卒で事業会社に入り、情報システム部門に配属される
- SIerなどでマネジメントスキルやITスキルを磨いてから転職する
フリーランス
フリーランスエンジニアは、個人事業主として企業から依頼を受けてシステム開発したり、Webサービスやスマホアプリを開発して企業や一般消費者に提供したりします。
個人事業主のため自分のやりたい仕事を選ぶことができますが、ITスキルが充分でなかったり、営業力がなかったりすると仕事が得られないリスクがあります。
必要なスキル
- 一人で課題を解決できるだけのITスキル
- 仕事を獲得するために必要なコミュニケーション力
向いている人
- 自己管理ができる
- 自由に仕事を選びたい
まとめ
SEのキャリアパスについて紹介しました。
他にも様々なキャリアプランがありますし、紹介した内容と違う意見を持っている人もいると思います。
キャリアを考える時には会社の先輩や同期だけでなく、同業他社やまったく違う業界の人の意見も参考になるので、一人で考え込まずにどんどん周りの人に相談しましょう。
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