SEからAIエンジニアへの転身はありか

様々な場面でAIが活用されるようになり、今後も範囲が広がっていくことが見込まれています。

ビジョン・ファンド で莫大な額を投資しているソフトバンクGの孫社長も、今後の成長を見込み、AIを活用する企業を中心に投資していると述べています。

参考 「日本、AI活用に目覚めよ」ソフトバンクG孫社長

文系出身でSEをしている筆者も、成長が見込まれるAIに興味を持ったので、AIについて調べたり、AIの開発ツールを実際に使って開発したりしました。

その結果をもとに、SEからAIに携わる仕事に移ることはアリなのかを考えました。

AIとは

AIはArtificial Intelligenceの略で、日本語では人口知能と訳されます。

AIの定義は研究者によって様々です。一例をあげると次のような定義があります。

人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術。
人間のように知的であるとは、「気づくことのできる」コンピュータ、つまり、データの中から特徴量を生成し現象をモデル化することのできるコンピュータという意味である

松尾 豊 東京大学大学院

人工的につくった知的な振る舞いをするもの(システム)である

溝口 理一郎 北陸先端科学技術

別の研究者の定義も含め、共通しているのは「人間のように考えられるシステム」という点です。

※ 「人間のように考える」が具体的に何を指すのかは研究者によってまちまちですが

なぜ今盛り上がっているのか

現在のAIブームは、第三次ブームと呼ばれています。

第一次ブームは1950~1960年代、第二次ブームは1980年代で、それぞれアルゴリズムの開発や、専門家の知識の活用などによってAIを実現しようとしましたが、現実世界への適用が上手く行かず、挫折しました。

現在の第三次ブームでは、次の点の改善により、現実世界への適用が進んでいます。

AI技術の進化

AIを実現するための手法である「機械学習」や「ディープラーニング」などの技術が進化したことで、より効率的にAIの精度を高められるようになりました。

データ量の増加

AIの精度を高めるためには、大量のデータが必要です。

デジタル化やインターネットの発展により、データ量が大幅に増え学習に使えるデータが潤沢に集められるようになりました。

なお、今後IoTでモノとモノがインターネットでつながるようになることで、さらに情報量が増大し、学習に使えるデータはさらに増える見込みです。

ハードウェアの処理能力の向上

AIの学習には膨大な計算が必要で、高速で 計算するためにはCPUやメモリなどに十分な性能が求められます。

それらのハードウェアの性能が充分に向上したことで、実用に耐えるレベルになりました。

AIを実現する手法

AIを実現する手法は複数ありますが、第三次AIブームで飛躍の原動力となったのはディープラーニングと呼ばれる手法です。ディープラーニングは機械学習の一種です。

機械学習とは

機械学習は、コンピュータにデータを入力し、コンピュータがアルゴリズムを用いてデータを分析することで、データの特徴・パターンを発見する手法です。

機械学習にはいくつかの種類があります。

機械学習の種類

ディープラーニングとは

ディープラーニングは機械学習の手法の一種で、これまでの機械学習の手法よりも高い精度を実現しています。

(参考) ディープ・ラーニングとは | SAS

ディープラーニングは教師あり・なし学習、強化学習にそれぞれ適用できます。

AIができること

AIができることは主に「識別・分類」「予測」「実行」の3つです。

AIができること

そして、AIは様々な産業に適用でき、その範囲は今後広がっていくことが見込まれます。

(参考) AIは産業をどう変えるか(2/2) | みずほ情報総研

AIの市場規模

AIの市場規模は今後急激に増加することが予想されています。

調査会社によって金額が大きく異なるものの、2018年には数百~数千億円の市場規模だったのが、2030年には1兆円を超える規模になるという見通しです。

(参考) 本格的な導入が進む国内のAI(人工知能)ビジネス市場を調査 | 富士キメラ総研

AI導入プロジェクトの進め方

AI導入プロジェクトは、以下の順で進められます。

  1. 企画
  2. 要件定義
  3. データ収集・精査
  4. モデル構築
  5. 評価・検証
  6. 開発
  7. 移行・導入

(参考) AIプロジェクトの進め方って? よく聞く「PoC」の重要性とポイントから紐解くAI導入 | Ledge.ai

「企画」、「要件定義」はクライアント企業のビジネス面の担当者、もしくは業務コンサルタントが担います。

「データ収集・精査」「モデル構築」「評価・検証」はAIエンジニアが担当し、「開発」「移行・導入」はAIエンジニア、もしくはITエンジニアが行います。

AIエンジニアには何が求められるのか

AIエンジニアには次の知識が求められます。

  • プログラミングスキル
  • データベース操作スキル
  • 数学
  • 統計学
  • 機械学習の知識
  • クラウドサービスの知識

(参考) AIエンジニアの転職事情|プロが教える後悔しない人生のための第一歩|Career Theory

実際に、プログラミングスキルで必要とされるpythonやscikit-learnを学習してみましたが、2-3年プログラミングをしていればすぐに習得できる程度の難易度でした。

また、データベース操作スキルについても、基本的な学習書を1冊やれば身に着くレベルです。クラウドサービスの知識についても同様です。

しかし、数学、統計学、機械学習については、かなり数学的な思考力が求められるため、数学が苦手な場合はかなり苦しいです。

簡単なサンプルを見た段階で、面倒になってしまい、私は習得を諦めました。

まとめ

AIの市場は今後大きく成長することが見込まれますし、技術がどんどん進化しているため、チャレンジしがいがある分野だと思います。

しかし、数学的な思考が苦手な場合は、活躍するのは難しいため、私は諦めることにしました…。

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