ポルノグラフィティのデビュー曲『アポロ』。
この曲をきっかけにポルノ好きになった人も多いと思います。
今回は『アポロ』をもっと深く味わうために、曲の背景を調べたり、タイトルや歌詞の意味を考えたりしました!
目次
背景
ポルノグラフィティのデビュー曲
『アポロ』は1999年9月8日に、ポルノグラフィティの1枚目のシングルとしてリリースされました。
作曲はak.homma(本間昭光)さん、作詞はハルイチさんです。
ポルノグラフィティのメンバーは『アポロ』をリリースする前の2年間、それまでの活動場所だった大阪から上京してデビューに向けて準備していましたが、なかなか芽が出ない状態でした。
- SONYと契約して上京したはずのポルノが、いつまで経ってもデビューせず。東京に引っ越してからは連絡先も分からない。そんな時期が2年くらい続いたんだけど。二人は東京に来て、どんな日々を過ごしてた?
晴一 うんこみたいな生活しよったね。ホンマに(笑)。
- うんこか(笑)。遊びほうけて、とかいうことでもなく?
昭仁 全然、そうじゃない。何をすれば良いのか、よくわからんかったね。
(引用 :ポルノグラフィティ誕生前夜までの物語 | 『別冊カドカワ 総力特集ポルノグラフィティ』)
それでもポテンシャルの高さを見込まれていたので、ポルノグラフィティを人気バンドにすべく所属事務所と制作チームが育成に取り組んでいました。
そんな時に『アポロ』の作曲家となる本間さんと出会い、曲の提供を受けることになります。
アーティストとしては、当然、自分で曲を書きたい気持ちはあったと思いますし、一部のコアなファンからすれば、「ポルノのメンバーでもない、このak.homma(本間昭光氏の作曲家・編曲家名義)って、一体誰?」という感じもあったでしょうけど、ここで売れなければ、彼らの先はなかった状態です。「誰が曲を書くかは気にしなくてもいい。曲は任せとけ」の言葉どおり、どう売り出していくかをその都度決めつつ、楽曲を作っていきました。
(引用 : Interview: 音楽プロデューサー・本間昭光氏|泰然自若のジーニアスが放つ才気煥発の極み | excite )
ストレートに伝わるように作られている
『アポロ』をリリースする前のポルノグラフィティは無名の存在。作詞を担当したハルイチさんは、わずかな時間でも聴いてくれた人に伝わりやすいように意図していました。
「アポロ」を創っていたころ。デビュー前。僕らのことを知っている人なんているはずもなく、僕らの曲を待ってくれている人もいない。コンビニの有線でなんとなく耳にする程度かもしれない。
その状況で聴いてくれる人に”行間”を感じてくれと期待することはできないから、実際に言葉にするところだけでも十分に伝わるように心がけて創った。
あえて注釈を入れるまででもないと思うが「アポロ」に”行間”がないわけではない。
(引用 :僕の状況の変化に伴う行間に込められる情報量の増減 | 『自宅にて』)
タイトル『アポロ』の意味
タイトルの「アポロ」の元ネタは「アポロ計画」です。
アポロ計画(特に月面着陸)は、人類が初めてかつ現在のところ唯一、有人宇宙船により地球以外の天体に到達した事業である。これは宇宙開発史において画期的な出来事であっただけではなく、人類史における科学技術の偉大な業績としてもしばしば引用される。
(引用 : アポロ計画 (2017/06/05 13:35 UTC 版) | フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
人が月に行くなどという、昔から考えればありえないことをアポロ計画は成し遂げました。
科学技術の進化を分かりやすく示したので、アポロが月に到達したことは科学技術の進化の象徴として良いでしょう。
曲の中でアポロは、科学技術の進化の表すものとして出てきます。
『アポロ』のテーマ
『アポロ』のテーマは「どれだけ社会が変化しても、恋や愛を求める気持ちは変わらない」ということです。
科学技術によって進化した今でも、人は昔と変わらず愛や恋に悩んでるし、未来もきっと変わらないじゃないか。
ただ、表面的な変化にとらわれてそれが見えづらくなっているだけなんじゃないか。
そんな主張が、科学技術の象徴である「アポロ」や「デジタル時計」と、その中にある変わらない側面を描写することで表現されています。
『アポロ』の歌詞の意味・解釈
どれだけ進化しても変わらないもの
みんながチェック入れてる 限定の君の腕時計はデジタル仕様
それって僕のよりはやく進むって本当かい? ただ壊れてる
(引用:『アポロ』 作詞:ハルイチ 作曲:ak.homma)
デジタル時計は科学の進化によって最近発明されたものです。
でも時の流れは宇宙が生まれた時からずっと変わっていません。
もしデジタル時計がアナログ時計よりも早く進むとしたら、時の流れが早くなったのではなく、単純に壊れているだけです。
つまり、科学技術が進化しても本質的なものは変わらないということの一例として、デジタル時計を使っています。
愛する感情は昔も今も変わらない
僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう
アポロ11号は月に行ったっていうのに
僕らはこの街がまだジャングルだった頃から
変わらない愛のかたち探してる
(引用:『アポロ』 作詞:ハルイチ 作曲:ak.homma)
アポロ11号は科学技術の進化の象徴です。
科学技術によって、人は月に行けるだけの存在になった。
それだけ進化してもジャングルに住んでいたような時代と変わらず、人は恋したり、愛しあったりしています。
表面的な変化に囚われて、変わらないものを見失いがち
地下を巡る情報に振りまわされるのは
ビジョンが曖昧なんデショウ
頭ん中バグっちゃってさぁ
アポロが制作された1999年には、TwitterのようなSNSは一般的ではありませんでしたし、みんながネットニュースを見ているような時代ではありません。
それでも、TVやラジオ、新聞、メールなどで、ジャングルに暮らしていたような時からみれば比べものにならないほど情報が溢れていました。
その大量の情報のせいで、昔と変わらない人の感情が見えづらくなっているのが今の時代なんかもしれません。
未来も恋愛する気持ちは変わらない
このままのスピードで世界がまわったら
アポロ100号はどこまで行けるんだろ?
離ればなれになった悲しい恋人たちの
ラヴ・E・メール・フロム・ビーナスなんて素敵ね
(引用:『アポロ』 作詞:ハルイチ 作曲:ak.homma)
このまま科学技術が進化すれば、遠い星に人が到達できるかもしれません。
表面的には今以上に世界の姿は変化しているはずです。
それだけ変化しても恋愛する気持ちは変わらず、遠距離恋愛に悩んだりするんだろうという未来予想が描かれています。
まとめ
『アポロ』の歌詞の意味を解釈しましたが、いかがだったでしょうか。
自分で歌詞を深掘りして考えると、また違った視点で曲を楽しむことができるので、ぜひやってみてください!
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